

一口馬主やPOGの馬選びで、血統表を見てもどの馬が良いのかよくわからない。
血統に詳しくなりたい。
そんな方のために血統表の見方を一から詳しく解説していきます。
- 血統表の見方には「型」がある
- 重要な血統だけを見る
血統表の見方には「型」がある

血統表の見方には「型」というものがあります。
血統表を見るときはまず父と母に2分割して、さらにそれらの父と母に2分割して、血統表を横に4分割してください。
これは私がいつも参考にさせてもらっている血統評論家の笠雄二郎さんの考案した方法です。
そしてこの父父、父母、母父、母母の4頭についてどのような血統構成なのかを確認していきます。
これが私の推奨する血統表の見方の「型」です。
なぜ4分割なのか
なぜ血統表を見るときに4分割する必要があるのでしょうか。
結論、父親と母親で同等の評価をするためです。
血統表を見るときあなたはどのように見ていますか?
大概の人はまず父親がどの馬かを見ると思います。
ディープインパクト産駒か、じゃあ母親はどうかな…よくわかんないな。母父は何かな?ストームキャットだ。これは有名なニックス、ディープ×ストームだ!これは期待ができるぞ…
こんな感じでしょうか。でもこれでは十分とは言えません。問題点が2点あります。
母母の部分が考慮されていない
母母の部分は血統の1/4を占める重要な部分ですが、ここを見ていない人が結構います。いや、正確に言うと「見れない」だと思うんです。
母母の部分って見てもわからないんですよね。母母が現役時代に有名な競走馬だったことって稀ですし、父馬と比べると膨大な頭数がいます。なのでよくわからない。
でも安心してください。このブログではこの母母の部分の見方ができるように解説していきます。
父と母父では世代の距離が違う
これは先ほどのディープ×ストームの例で考えるとわかると思います。
- 父ディープインパクト 母父ストームキャット
- 父ストームキャット 母父ディープインパクト
上の2頭の馬が同じような特徴の馬だと言えるでしょうか。おそらく違いますよね。前者は1600Ⅿから2400Mの芝が主な主戦場、後者は1400Mから1800Mくらいが適正距離になるのではないでしょうか(実際にはほとんど存在していないと思いますが)。
これが世代の距離が違うということです。父と母父では世代の距離が違うので影響力が違います。
これらの問題を解決するのが先ほど説明した、血統表を4分割し、父父、父母、母父、母母の4頭についてどのような血統構成なのかを確認する方法です。
重要な血統だけを見る

さて、血統表の見方はわかりました。ただ実際のところ父父や母父はともかく、父母や母母はどうやって評価するのかと思われるのではないでしょうか。
そんな時の考え方として「主要血脈」や「重要血統」という考え方があります。血統評論家の望田潤さんや生駒永観さん、YouTuberの坂上明大さんの解説を参考にしています。
これは特に強い遺伝力を持つ祖先を「重要血統」とし、その祖先の影響を考えていく方法です。
ちょっと分かりにくいと思うので具体例を出して説明します。
ディープ×ストームの代表馬リアルスティールで解説していきます。
リアルスティールの血統表を4分割してみます。
- 父父:サンデーサイレンス
- 父母:ウインドインハーヘア
- 母父:Storm Cat
- 母母:Monevassia
この4頭について重要血統があるかを見ていくのですが、ここでは例としてどんな馬か一番ピンとこない母母Monevassiaを見ていきたいと思います。
リアルスティールの母母Monevassiaの血統表です。
父はMr. Prospector、母父はNureyevです。一口馬主やPOGをやっている方ならば聞いたことがあると言う人も多いのではないでしょうか。
父Mr. ProspectorはFappiano、Miswaki、Kingmambo等数々の種牡馬を送り出した大種牡馬。俊敏性と柔軟性を伝える「重要血統」です。
また、母父NureyevもMiesque、Theatrical、パントレセレブル等の名馬を送り出した名種牡馬。持久力を伝える「重要血統」です。
残りのPasadobleの部分は「重要ではない血統」と言うと語弊があるかもしれませんが、とりあえず考えないようにしても良いかと思います(ホントは名牝Miesqueの母親ですごい馬ですけどね)。
この重要血統でない部分はとりあえず考えないようにするというのが血統表を見る上で大切なポイントです。
こうしてみるとリアルスティールの母母Monevassiaは俊敏性と柔軟性、それに持久力も兼ね備えたタイプなのかな、と想像ができます。
こんな感じでもう一歩血統表の中まで踏み込んでみると、聞いたことが無い馬でもどんな特徴かだいたいイメージができるようになります。
どんな「重要血統」があるかについては今後記事にして行きますのでその記事を読みながら覚えていくのが良いかなと思います。
今回はこんなところです。血統表を見るときは型にはめて見ていった方が軸がブレずに評価できるので、ぜひ今回の方法を試してみてください。
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