ブラックタイプの見方 ボトムライン(直牝系)を評価する

先週ブラックタイプの見方 牝系・血統の評価方法という記事を書いたんですが、改めて冷静に読み返してみるとちょっと説明不足な記事だなぁと反省(^^;)

というわけで今回はブラックタイプの見方の補足になります。

ブラックタイプはボトムライン(直牝系)を評価する

ブラックタイプを見てその馬の牝系の良し悪しを評価するときは、ボトムライン(直牝系)のみを見て評価するのが良いです。

そもそも牝系の良し悪しを評価するときは、どこまでを同じ牝系とするか、どこでグループ分けするかが難しいところです。

ブラックタイプを見ていても、3代母、4代母の欄に「〇〇〇(歴史的名馬)の祖母」なんて書いてあるのを見たことがある人もいるんじゃないでしょうか。

ブラックタイプに歴史的名馬の名があると、その馬もすごい血統なんじゃないかと思ってしまうところですが、鵜呑みにしないでください。

というかほぼ関係ないです。

関係があると考えて良いのはボトムライン(直牝系)の馬だけだと思っています。

なぜ直牝系の馬だけで良いのか?

理由は、遺伝とは父の遺伝子と母の遺伝子が組み合わさって伝えられるものだからです。

いとこ、はとこなど枝分かれしたラインは、評価しようとしている当該馬とは関係ない馬の血が入っています。

ということは、いとこ、はとこについては全く別の遺伝方法によって生まれたと考えて良いと思います。

という訳で、牝系を評価するときはボトムライン(直牝系)の馬だけを見ます。

どこかで線引きをしないとアバウトな牝系評価しかできない

ブラックタイプの見方

図を見てください。

今回、F(本馬)の牝系を評価するとします。

例①

  • Bは未勝利、Jは重賞勝ち
  • Jのラインはその子どもKとLも重賞勝ち
  • Bのラインはその子どもCとG共に未勝利、さらにその次の代のD、E、Hも未勝利

この状態でF(本馬)は重賞勝ちJ、K、Lの近親だと言って良い牝系だと評価して良いでしょうか。

ちょっと違う気がしますよね。

例②

  • Bは未勝利、Jは重賞勝ち
  • Jのラインはその子どもKとLも重賞勝ち
  • Bのラインはその子どもCとG共に未勝利(ここまでは例①と同じ)
  • Cの子どもDとEは重賞勝ち

こうなるとF(本馬)は重賞勝ちDとEの下ですから当然期待できるでしょう。

ここで考えたいのは、Jのライン、KとLの競争成績。

このKとL、競争成績が良かろうが悪かろうがF(本馬)の期待値として関係あるのか、ということ。

あまり関係ないと思いませんか?

KとLの重賞勝ちはJの繁殖能力が高いことを示しているが、F(本馬)の祖母であるBの繁殖能力とは関係ないですよね。

ということはやはりF(本馬)にとって枝分かれしたライン、KやLは牝系を評価する上で考えなくてよい馬ということになります。

まぁこれは考え方の一つというだけですが、なんにせよどこかで明確な線引きをしないと図のAからLの馬まですべて同じ評価、というのではあまりにざっくりすぎるかなと思います。

ミトコンドリアDNAってどうなの?

いとこ、はとこについては別の牝系として考える。

とはいえ、

血統オタク
血統オタク

母性遺伝するミトコンドリアDNAは「いとこ」も「はとこ」も同じなんだから別牝系とするのはマズいんじゃないの?

という血統オタクもいるかもしれません。

ミトコンドリアというのは細胞の中にある器官で、エネルギーを作り出す役割があります。

このミトコンドリアのDNAは、他のDNAと違ってすべて母から遺伝し、父のもつミトコンドリアDNAはすべて消化されて無くなってしまいます。

エネルギーを作り出す重要な器官ミトコンドリアのDNAはすべて母側からの遺伝なのです。

なので、「いとこ」も「はとこ」もミトコンドリアDNAが同じなのだから同牝系とする、という考え方も有りかとは思います。

ただ、その考え方だと先ほどの牝系図でいうAからLまで全部おなじミトコンドリアDNAなので、同じ牝系、同じ評価となってしまいます。

これでは牝系評価としてちょっとざっくりすぎますよね。

牝系の分類でいうと有名なファミリーナンバーというものがありますが、このファミリーナンバーが同じ馬は全て同じミトコンドリアDNAを持っています。

こう考えるとミトコンドリアDNAが同じだから牝系評価が同じ、というのがざっくりすぎるというのがピンとくるかと思います。

という訳で、ブラックタイプを見て牝系を評価するときは、ボトムライン(直牝系)だけを見てください。

さらに言うと直牝系の競争成績ではなく繫殖成績を見てください。

これについては次回に書きたいと思います。

今回はこんなところです。

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