今回は2022年度のサイアーランキングの分析と、今後のリーディング争いがどうなっていくのか、種牡馬界の今後を予想していきます。
22年サイアーランキングと今後の予想
22年もリーディングはディープインパクトで11年連続。
3歳世代は99頭、2歳世代に至っては4頭しか出走が無い中でもリーディングというあたりはスゴイの一言。
ただ、23年度はクラシック世代がほぼいないということで、さすがにリーディング争いは厳しいと思います。
23年度はおそらくロードカナロアとドゥラメンテの一騎打ちでしょう。
キズナもかなり有力ではあるんですが、キズナ産駒は24年クラシック世代が黄金世代になりそうで、リーディング争いに本格的に加わるのは24年からだろうと見ます。
という訳で、24年はロードカナロアとドゥラメンテにキズナを加えた三つ巴になりそう。
25年も勢力争いに変わりは無く、同じく三つ巴でしょう。
問題は26年以降。
ここでドゥラメンテと入れ替わるようにキタサンブラックが台頭してくるんではないかと見ております。
もしそうなると、2頭の現役時代の競争成績を彷彿とさせるような展開でムネアツですな。
では、各種牡馬について産駒デビュー年順に見てみましょう。
17年組
ロードカナロア
産駒デビューから6年目だったロードカナロアはランキングがこれで3年連続の2位。
初めて勝率が10%を切りましたが相変わらず9.5%と高い数字をたたき出しました。
6年目の勝率が9.5%というのは、ここ10年で見てもディープインパクト、キングカメハメハしか出せていない数字です。
この高さはハーツクライの通算勝率が9.0%、ダイワメジャーが8.5%ということを見てもわかると思います。
重賞12勝はディープインパクトを抑えてトップ。
これで5年連続で二桁の重賞勝利。
これも驚異的で、例えばキングカメハメハは15年間で中央での二桁重賞勝利を記録したのが5回。
偉大な父の記録に早くも並んでいることになります。
3年目産駒以降は超大物が出ておらずやや尻すぼみのような印象もあるかもしれませんが、リーディングサイアー級の数字を毎年出していることは間違いないですね。
オルフェーヴル
今年は中央リーディング11位、総合リーディング7位。
3年連続で総合ベスト10に入りました。
年末の東京大賞典をウシュバテソーロで勝利し、3世代連続でG1ホースを排出。
中央での勝率も22年度で8.2%、通算で8.7%なのでダイワメジャー級。
1発ホームランが打てるのは父ステイゴールド譲り、さらに勝率はダイワメジャー級でかなりの優良種牡馬なのですが、そろそろ世間も再評価してくれませんかね。
まぁ2歳戦は相変わらず激烈にダメですが。
18年組
ジャスタウェイ
18年組はジャスタウェイくらいしか今後のランキングに絡みそうな馬はおりません。
そのジャスタウェイも2歳戦がダメで失敗っぽい雰囲気にされてしまいました。
オルフェーヴルと同じですね。
ただ、5年通算で勝率7.5%というのは決して悪くなく、本来であればベスト10くらいは十分狙える実績だと思います。
晩成血統なのがやはりつらいところですね。
19年組
キズナ
4年目の22年度は勝率10.0%。
再び勝率を10%台に乗せて、これで4年間で勝率10%超えが3回。
G1ホースもコンスタントに出しリーディング級の実力を示しております。
特に今年の2歳からは産駒デビュー後に種付された世代となるので繁殖牝馬の質もアップ、さらに上積みがあると思います。
24年度からはロードカナロア、ドゥラメンテとリーディング争いでしょう。
エピファネイア
22年度は勝率8.4%。
重賞がわずか1勝と大不振に終わってしまいました。
重賞が勝てなかったのは巡り合わせのようなところもありますが、勝率はこれで3年連続8%台。
一発大物を出せる良い種牡馬ではあるんですが、リーディングを取れるような勝率は出せないタイプであることは間違いないですね。
数字的にはオルフェーヴルと似ていますが、キャラは全然違って2歳戦に強いがダートがダメなエピファネイア、ダート強いが2歳戦はダメなオルフェーヴルという感じですね。
20年組
ドゥラメンテ
3年目の22年度は勝率10.8%。
古馬でタイトルホルダー、クラシックはスターズオンアース、2歳でリバティアイランドと3世代連続で主役級を出してます。
大物を出せるし勝率も文句無し、社台グループの後ろ盾もバッチリで間違いなくディープインパクト後の種牡馬界を引っ張っていく存在だっただけに、亡くなってしまったのはホントにもったいないです。
23年はネクストディープ元年、おそらくリーディング争いはドゥラメンテとロードカナロアの一騎打ちでしょう。
ラストクロップは25年のクラシック世代。
あと3年の内にリーディングサイアーを取ることができるでしょうか。
モーリス
22年度の勝率10.7%。
2歳戦の比率が低くなってくる3年目になってもまだこの数字が出るのは驚き。
晩成気味なところもあって勝率があまり落ちてないんでしょうが、これは正直リーディング級の勝率です。
惜しいのはどうしても短距離が主戦場なので、そういう意味でリーディング争いをするのは難しい点ですね。
ただ、ダイワメジャーの後釜になれる存在であることは間違い無いです。
それどころか現状はダイワメジャー以上の勝率をたたき出してますね。
21年組
ドレフォン
2年目の22年度は勝率10.1%。
2歳戦の影響がまだまだ大きい2年目とはいえ、この数字はかなり高いです。
この後は古馬になっての成長力がどうかというところですが、あまりに早熟な傾向でも出ない限りベスト10の常連になりそうな存在だと思います。
キタサンブラック
22年度の勝率は12.1%。
22年度のサイアーランキングで一番の驚きはキタサンブラックでしょう。
初年度でイクイノックスが東スポ杯を勝った時は、たまたま1頭強い馬が出ただけだと思ってましたが、2年目でこの勝率となるとこれは偶然ではないですね。
この2年目の勝率12.1%はドゥラメンテ、キズナ、モーリス、エピファネイアよりも上です。
ちょうど、アーモンドアイが3冠を達成して、ステルヴィオとサートゥルナーリアがG1を勝ったロードカナロアの2年目と同じ勝率、と言えば凄さが伝わるでしょうか。
この活躍によって、26年クラシック世代からは種付頭数が大幅アップしています。
同世代のスターホース、ドゥラメンテがリーディング争いできるのが25年度まで。
入れ替わるようにキタサンブラック時代が来るかもしれないです。
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