東京サラブレッドクラブ2021年　募集馬評価１

いよいよ東京サラブレッドクラブ2021年の募集馬が発表されましたね。21日には動画も公開されるということで検討モードに入っている方もたくさんおられるのではないでしょうか。

今回の記事では東サラ2021年募集番号1-8までの募集馬の血統評価をしていこうと思います。

※あくまで私の個人的見解ですので、出資は自己責任でお願いします<(_ _)>

評価基準

評価はA-Fまで6段階。3勝以上できるかを目安にしています。

評価する方法は血統のみです。血統表を４分割して父父、父母、母父、母母とそれぞれの馬の祖先に次の５つのポテンシャルを持つ馬を高く評価しております。

この辺の評価の仕方について興味のある方は一口馬主、POGのための血統講座の記事を見てみてください。

東京サラブレッドクラブ2021年　募集馬評価１

１．レッドメデューサ20

母レッドメデューサはレッドランディーニ、レッドフラヴィアなど準オープン以上の馬を複数出しており、毎年子供が大人気の東サラ看板馬。今年はついに募集番号１番ですね。母母CatchascatchcanはイギリスG1馬の良血です。

評価：B

父ロードカナロアはレディブラッサムのパワー、柔軟性、心肺機能を高確率で伝える種牡馬。アベレージが高く大物も出せるスーパーサイアー。母レッドメデューサはNasrullahだらけの配合で俊敏性と柔軟性の塊。基礎スピードが不足する可能性はあるが、まあ走ってくる可能性は高いでしょう。

父父：キングカメハメハ

Mr. Prospector、NureyevにLa Troienne系クロスを持つSex Appealを持ち、バランスの良さがウリの名種牡馬。

父母：レディブラッサム

Storm Cat＋In Reality由来のパワーとSecretariat=Syrian Seaの全きょうだいクロス由来の柔軟性がウリ。加えて３代目にHis Majestyがおり心肺機能も申し分無し。

母父：Mr. Greeley

Bold Ruler4×3にNasrullah5・5×4。俊敏性と柔軟性が武器。

母母：Catchascatchcan

Nasrullah5×4・6。俊敏性と柔軟性が武器。

２．ロマンシングジェム20

母ロマンシングジェムはマイルチャンピオンシップ２着フィエロの3/4同血の妹。祖母ルビーはヨーロッパチャンピオンマイラー、ロックオブジブラルタルの全妹。カナロア産駒にしては安いですが普通に良血です。

評価：A

ロードカナロア産駒の２頭目。こちらはカナロア産駒としてはかなり安い方ですが、最高のＡ評価としました。なんといっても母母ルビーのポテンシャルですね。デインヒルを基盤としたパワーと心肺機能が高い上、バランスもとれている。走る確率はかなり高いんじゃないでしょうか。

父父：キングカメハメハ

Mr. Prospector、NureyevにLa Troienne系クロスを持つSex Appealを持ち、バランスの良さがウリの名種牡馬。

父母：レディブラッサム

Storm Cat＋In Reality由来のパワーとSecretariat=Syrian Seaの全きょうだいクロス由来の柔軟性がウリ。加えて３代目にHis Majestyがおり心肺機能も申し分無し。

母父：アグネスタキオン

サンデーサイレンスからの俊敏性と持久力は良質だが、アグネスフローラからの遺伝が弱い。名牝系だが、次代に繋いでいけるような種牡馬が掛けられておらずサンデー劣化版になってしまっている。

母母：ルビー

デインヒルのパワーと心肺機能を基盤にNorthern Dancerクロスで底上げした非常に良い配合。

３．プレザントケイプ20

母プレザントケイプはOP馬のペイシャフェリス、ペイシャフェリシタを産んでいる優秀なお母さん。母１４歳時の子供なのでそろそろ活力が落ちてきそうなのが心配か。

評価：D

父ドゥラメンテは、とにかく父母アドマイヤグルーヴの俊敏性、持久力がウリ。心肺機能の高い繫殖牝馬が合う。逆に母プレザントケイプは俊敏性、持久力が足りないタイプ。唯一の強味は心肺機能の高さくらいか。この母に合わせるにはドゥラメンテはもってこいの種牡馬。アドマイヤグルーヴの良さを受け継ぐことができれば結構活躍してくれるかもしれません。

父父：キングカメハメハ

Mr. Prospector、NureyevにLa Troienne系クロスを持つSex Appealを持ち、バランスの良さがウリの名種牡馬。

父母：アドマイヤグルーヴ

ダイナカール-エアグルーヴと続く日本有数の名牝系にサンデー×トニービン×ノーザンテーストと歴代のリーディングサイアーを掛けられたまさに超良血。俊敏性と持久力の鬼。

母父：Cape Cross

Danzigのパワーと心肺機能にSir Ivorの俊敏性を加えた感じ。もう少し持久力があれば良いですが…

母母：Felicity

Sadler’s Wellsの心肺機能にNative DancerとNasrullahをクロスで底上げ。心肺機能以外は少しずつ足りない。

４．ディエンティ20

母ディエンティは米G2勝ちファンタスティキャットの全妹。祖母Lotta Dancingは米G3勝ち。兄弟に活躍馬は今のところいないが、血統的には大物が出てもおかしくない良血。

評価：F

シンボリクリスエス、シーザリオ、Storm Cat、Lotta Dancingと４頭そろってピンかパーかという配合。どこか１頭でも俊敏性と持久力のある血が入っていると期待値が全然違うのですが…。パワー、柔軟性、心肺機能にあまりにも振れすぎており非常にバランスの悪い配合。

父父：シンボリクリスエス

RobertoのパワーとPrincequillo、Seattle Slewの柔軟性を良く伝える反面、持久力と心肺機能に問題があり、当たりはずれが大きいタイプ。

父母：シーザリオ

Sadler’s Wells譲りの心肺機能に秀でている名牝。だがそれ以外の能力は割と平均的なので、バランスタイプと合わせたい。

母父：Storm Cat

パワーと柔軟性を兼ね備えている反面、持久力と心肺機能に明確な弱点がある。

母母：Lotta Dancing

Alydar×Danzigでパワーと心肺機能の塊。Cosmah牝系にGallant Manなので柔軟性もあるがやはりパワーにかき消されてしまうか。

５．ドライヴンスノー20

祖母Wandestaは米芝牝馬チャンピオン。ただ、それ以外の近親では目立った活躍馬はいません。ハーツクライ産駒の兄も現在のところ１戦して着外という成績。ちょっと価格設定が強気なのでは…。

評価：F

父父シンボリクリスエスと母父Storm Catがどちらもパワーと柔軟性を兼ね備えている反面、持久力と心肺機能に明確な弱点があるよく似た特徴を持っている。うまくシンボリクリスエスとStorm Catの良いところ（パワーと柔軟性）だけを受け継ぐことができればワンチャン大物の登場もあり得る。ただ、アベレージは決して高く無い。

父父：シンボリクリスエス

RobertoのパワーとPrincequillo、Seattle Slewの柔軟性を良く伝える反面、持久力と心肺機能に問題があり、当たりはずれが大きいタイプ。

父母：シーザリオ

Sadler’s Wells譲りの心肺機能に秀でている名牝。だがそれ以外の能力は割と平均的なので、バランスタイプと合わせたい。

母父：Storm Cat

パワーと柔軟性を兼ね備えている反面、持久力と心肺機能に明確な弱点がある。

母母：Wandesta

バランスタイプだが、柔軟性が弱点。

６．タイムレスメロディ20

母タイムレスメロディは日本ダービー馬ロジユニヴァースの3/4同血の妹。そして何といっても日本で一大勢力を築いているソニンク牝系。この価格設定は牝馬とは言えお買い得な印象。

評価：D

エピファネイア×ディープインパクトはそれぞれ弱点を補い合うような配合になる。アコースティクスもバランスの取れた配合なので、大物感は無いがソコソコは走りそうな配合。

父父：シンボリクリスエス

RobertoのパワーとPrincequillo、Seattle Slewの柔軟性を良く伝える反面、持久力と心肺機能に問題があり、当たりはずれが大きいタイプ。

父母：シーザリオ

Sadler’s Wells譲りの心肺機能に秀でている名牝。だがそれ以外の能力は割と平均的なので、バランスタイプと合わせたい。

母父：ディープインパクト

俊敏性と持久力を兼ね備えた言わずと知れた大種牡馬。

母母：アコースティクス

Danzig×Machiavellian×Nureyevでバランスの取れた配合。

７．サウンタ20

母サウンタは名牝シンハリーズの半妹。それだけでも十分検討の余地ありですが、シンハリーズ牝系はシンハリーズがすごいのであって、それ以外の系統が発展しているのかというとちょっと疑問ではあります。

評価：F

父モーリスは持久力と心肺機能に優れた配合。母方から俊敏性を補いたい。一方母サウンタは正直あまり血統的に見るべきところはない配合。サウンタの姉シンハリーズは偉大ですが、父Singspielの長所が最大限に出た馬で母Baizeについてはあまり強調材料がありません。普通に苦戦ではないでしょうか。

父父：スクリーンヒーロー

グラスワンダーからパワーと心肺機能をランニングヒロインから持久力を高いレベルで受け継ぎ、全体的に穴の少ない配合。グラスワンダーとサンデーの位置が逆だともっとバランスが良かったですが…。

父母：メジロフランシス

Sadler’s WellsとLyphardが入り持久力、心肺機能がウリの配合。

母父：Invincible Spirit

Danzig系の典型的なパワー、心肺機能タイプ。日本の馬場にはあまり向かないかな～と思います。

母母：Baize

名牝シンハリーズを産んだ馬ですが、全体的に血が古くあまり強調材料が無いです。

８．レッドミラベル20

母レッドミラベルはG2アルゼンチン共和国杯勝ちルルーシュの半妹。祖母ダンスーズデトワールは仏G1で２着の実績。良血揃いの東サラ募集馬の中では割と地味な血統ですね。でも悪くはないと思います。

評価：D

父ハービンジャーは父父Dansili譲りのパワーと心肺機能がウリ。このため俊敏性と持久力を母方から補う配合が良い。サンデーやミスプロ＋Nreyev（キングカメハメハですね）を持つ母からG1馬を排出。母レッドミラベルについては、母父ステイゴールドはハービンジャーとの相性は良いと思うのですが、母母ダンスーズデトワールは柔軟性オンリーの配合。ステイゴールドとダンスーズデトワールのいいとこどりが出来ればいいところまで行きそう。

父父：ハービンジャー

デインヒルにNijinsky、Robertoとパワーと心肺機能に偏った配合。

父母：Penang Pearl

Almahmoudのクロスで俊敏性と柔軟性を、Native Dancerのクロスでパワーと心肺機能を強化。そしてLyphardから持久力を強化してバランスのとれた配合。

母父：ステイゴールド

父サンデーサイレンス譲りの俊敏性と持久力が持ち味。

母母：ダンスーズデトワール

Highest Honorが強く柔軟性の塊、俊敏性は落ちてしまっている。

今回はこんなところです。