今回の記事ではモーリスの種牡馬としての特徴を分析していきたいと思います。
分析するのは主に血統についてです。
血統表を見ながら、どんな特徴を産駒に伝えるのか考察します。
難しそうな話に思われがちですが、血統にそんなに詳しくない方でもわかるように説明してます。
「血統はあんまりね」って方もぜひ見てみてください。
それではさっそくモーリスの血統表を見てみましょう。
血統表で色付きで囲んだ馬たちがポイントです。
まぁタイトルの通りその中でも特に重要なのが父スクリーンヒーローの母ランニングヒロインですね。
まずはいつものように、父と母に分けてそれぞれの血統の特徴を分析していきましょう。
父スクリーンヒーローの特徴
モーリスの父スクリーンヒーローはその父がグラスワンダー、母がランニングヒロイン。
グラスワンダーはロベルト×ダンジグという血統構成で、これは完全にパワータイプですね。
一方、母ランニングヒロインはサンデーサイレンス×ノーザンテーストという王道血統。
種牡馬としてのスクリーンヒーローを語る上では、母のランニングヒロインこそ絶対に無視できない存在なんすよ。
まず、今言ったようにサンデー×ノーザンテーストというピカピカの王道血統だってこともあるし、なんせランニングヒロインの母はあの名牝ダイナアクトレスですもんね。
ダイナアクトレスはさすがに私もリアルタイムではシランケドですが、当時不動のリーディングサイアーだったノーザンテースト産駒で、安田記念2着、ジャパンカップ3着という名牝。
ダイナアクトレスの現役時代のレースがJRAの公式チャンネルにありました!
という訳で、まずはランニングヒロインの血統表を見てみます。
青色で囲んだヘイローとレッドゴッド。
この2頭は俊敏性を伝える血統なんですが、よく似た血統構成をしています。
ヘイローとレッドゴッドの比較血統表を載せます。
ナスルーラとロイヤルチャージャー、マムタズペグムとマームードはそれぞれ3/4同血、ブルドッグとサーガラハッドは全きょうだいです。
という訳でランニングヒロインの血統は、俊敏性を伝えるヘイロー≒レッドゴッドのニアリークロスが2×4であります。
もう一度ランニングヒロインの血統表を確認しましょう。
次に、緑で囲んだマウンテンフラワーとノーザンテーストですが、こちらは持続力を伝える血統。
マウンテンフラワーはハイペリオンの3×4、ノーザンテーストはハイペリオンの4×3です。
という訳でランニングヒロインは、父が俊敏性と持続力の鬼サンデーサイレンスで、母父は持続力血統のノーザンテースト、そしてヘイロー≒レッドゴッドの2×4だから完全に俊敏性と持続力に特化した血統構成なんですよね。
さらにランニングヒロインにはもう1段奥にも巧妙な配合があって、それがランニングヒロインの母母モデルスポートです。
モデルスポートの血統表を見てみます。
モデルスポートは母父がレッドゴッドですが、レッドゴッドの母スプリングランがモデルスポートの父父トムフールと似た血統構成で、トムフール≒スプリングランの2×3になってます。
つまりモデルスポート自体がレッドゴッドにトムフールを組み合わせて俊敏性を強化した血統構成になってるんです。
そしてモデルスポートのレッドゴッドにヘイローを組み合わせて俊敏性をダブルコンボにしたのがスクリーンヒーローの母ランニングヒロイン。
いやぁ~いい仕事してますねぇ。
スクリーンヒーローは現役時代もジャパンカップを勝ちましたが、それ以上に種牡馬として成功したのもうなずける血統構成なんですよね~。
母メジロフランシスの特徴
次はモーリスの母メジロフランシスについて見てききましょう。
父カーネギーはサドラーズウェルズ×リヴァーマン。
どちらもアメリカ産馬ではありますが、種牡馬として活躍したのは主にヨーロッパ。
カーネギーの牝系もフランスで、ヨーロッパのタフな血統にリヴァーマンの柔軟性をプラスした感じ。
母メジロモントレーはメジロ牝系に代々フランス産の種牡馬を重ねていて、父父が持続力血統のリファール。
という訳でメジロフランシスはサドラーズウェルズのタフさがメインで、そこにリヴァーマンの柔軟性とリファールの持続力をプラス、といったイメージですね。
モーリスの底力、大物感はメジロフランシスからきているのかな~と思います。
それにしてもメジロ牝系の母にフランス牝系の父カーネギーでメジロフランシスとはお見事な馬名センスだわ。
モーリスの特徴
さてさて、それではここまでスクリーンヒーローとメジロフランシスを見てきたことを踏まえて、モーリスの特徴を分析していきましょう。
モーリスの血統表を載せます。
モーリスはグラスワンダーのパワーとランニングヒロインの俊敏性、これがまずメインかなと思います。
そこにサドラーズウェルズのタフさとリヴァーマンの柔軟性、リファールの持続力をプラスして、非常にバランスの良い血統構成。
その産駒としてはどんな血統が良いのか、と考えた時にまずは日本で走ることを想定すると、ランニングヒロインのところを継続強化したいな~という感じ。
つまり、ヘイロー≒レッドゴッドの俊敏性とノーザンテーストのハイペリオン由来の持続力を強化したいってことですね。
それにプラスアルファとしてダンジグを持ってきてパワーアップさせるのか、スペシャル牝系を持ってきてサドラーズウェルズのタフさを強調させるのか、ナスキロ血統を持ってきてリヴァーマンの柔軟性を強調させるのか、といったところかな。
もちろんリファールクロスも有効ですが、そちらはあくまで持続力の強化なのでプラスアルファという点ではダンジグ、スペシャル、ナスキロが入っているのが良いかな~と思います。
で、今の話は「日本で走ることを想定すると…」とわざわざ言ったのには意味があるんですよね。
そう、モーリスと言えばシャトル種牡馬。
オーストラリアでも種牡馬として成功しているんですが、こちらは活躍した馬の血統構成が全然違うんですよね。
オーストラリアと言えばデインヒル。
デインヒルと言えばダンジグ。
実はオーストラリアで活躍した産駒は、ランニングヒロインでは無くグラスワンダーの母父ダンジグのクロスを持った馬ばっかりです。
まぁ繁殖牝馬がオーストラリアの牝馬なんで当たり前っちゃ当たり前ですが。
ただここで言いたいのは、ダンジグ譲りのグラスワンダーのパワーとランニングヒロインの俊敏性を兼ね備えたスクリーンヒーローの血が、日本とオーストラリアの両方で成功した要因なんだろうなぁってことですね。
はい、では次回は実際にモーリスの代表産駒の血統表を見ながら、モーリスの成功パターンを分析していきます。
それでは今回も最後まで読んで頂いてありがとうございました。
次回もどうぞよろしく~。
続きはコチラ↓
【種牡馬】モーリス産駒の成功パターンその1 ランニングヒロインとリヴァーマンを強調
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