今回は2024年デビューの新種牡馬サートゥルナーリアについて考察してみようと思います。
同じキャロットクラブ出身の兄エピファネイアが種牡馬デビューした時と同様に、かなりの良血牝馬が集められているように思います。
24年の新種牡馬サイアーランキングは正直サートゥルナーリア1強かなぁと思いますね。
昨年のブリックスアンドモルタル、レイデオロはちょっと怪しいかなと思っていたんですが、今年のサートゥルナーリアに逆らう気は全然ございません。
それでは考察していきましょう!
父ロードカナロアの特徴
まずはサートゥルナーリアの父ロードカナロアがどんな特徴を持っているのかを見ていきます。
ロードカナロアを語る上でまず外せないのはその母レディブラッサム。
レディブラッサムの父はストームキャットでさらにその母父がセクレタリアトなんですが、この馬が柔軟性を伝える血統なんですよね。
そしてレディブラッサムはその4代母シリアンシーがこのセクレタリアトの全きょうだい。
なのでレディブラッサムはセクレタリアト=シリアンシーの3×4で、柔軟性を強烈に伝える血統なんですよね。
なのでその仔ロードカナロアも基本的には柔軟性を伝える血統だと思います。
母シーザリオの特徴
次にサートゥルナーリアの母シーザリオを見ていきます。
こちらは父がサンデー直仔のスペシャルウィーク、母父がサドラーズウェルズ、母母父がサーゲイロードの後継種牡馬ハビタットです。
こう見るとシーザリオはとてもバランスの取れた血統で、ヘイロー→サンデーサイレンスの俊敏性、サドラーのタフさ、ハビタットの柔軟性を総合的に伝える血統なのかな、と思います。
ロードカナロア×シーザリオのサートゥルナーリアはどうなの?
じゃあロードカナロア×シーザリオのサートゥルナーリアは結局のところどうなのって話ですよね。
まずサートゥルナーリアの血統表で注目したいのは黄色で囲んだレディブラッサムとサーゲイロード。
レディブラッサムはロードカナロアの柔軟性を伝える血統、サーゲイロードもシーザリオの柔軟性を伝える血統であると言いました。
レディブラッサムは特にセクレタリアト=シリアンシーの全きょうだいクロスが強烈と言ったんですが、シーザリオ側のサーゲイロード、この馬も実はセクレタリアトの兄弟です。
比較血統表を見てみましょう。
セクレタリアトとサーゲイロードを比較すると、黄色く囲んだ部分がほぼ同じで3/4同血、正確には11/16同血なんですよね。
なのでサートゥルナーリアはレディブラッサムにさらにサーゲイロードを合わせていて、基本的には高い柔軟性を伝えるのではないかと思いますね。
もう一つサートゥルナーリアの血統表で注目したいのは、紫色に囲んだヌレイエフとサドラーズウェルズ。
もう一度サートゥルナーリアの血統表をのせますね。
サドラーズウェルズはタフさを伝える血統だということをさっき言いましたが、ヌレイエフはサドラーズウェルズと3/4同血。
どちらも名牝スペシャルの牝系です。
スペシャルについてはこちらの記事をどうぞ。
ノーザンダンサーとのスペシャルな関係。ヌレイエフとサドラーズウェルズ、ちぢめてヌレサド。
サートゥルナーリアはヌレイエフ≒サドラーズウェルズを3×5でもつので、スペシャル牝系のタフさも伝えそうだなぁと思います。
という訳で、サートゥルナーリアはレディブラッサムとサーゲイロードの柔軟性、スペシャル牝系のタフさを伝える種牡馬と見ています。
じゃあ、サートゥルナーリアに対する繁殖牝馬はどんな血統が良さそうなのか、という話をしていきましょう。
サートゥルナーリアと相性の良い血統は?
結論から言うとサートゥルナーリアに対しては俊敏性、持続力、パワー、このあたりを組み合わせていくのがいいかなと思います。
ではそれぞれ見ていきます。
俊敏性・持続力血統
サートゥルナーリアは柔軟性、タフさを伝える種牡馬となりそうなんで、日本の芝向きの血統とするには、母方から俊敏性、持続力を持ってきたいです。
まず俊敏性を持ってくるにはサンデーサイレンスが基本ですよね~。
サートゥルナーリア側は4代目にサンデーサイレンスなので、クロスの濃さはあまり気にしなくて良くて、これは兄のエピファネイアと同じですね。
サンデー4×3とかはエピファネイア同様マストに近いかもしれません。
もちろんサンデー以外のヘイローもありだと思います。
キングヘイロー、マキャベリアン、シングスピールあたりがすぐ思いつく血統ですかね。
あと最近はあまり見なくなってしまいましたがタイキシャトルとか。
それから、持続力についてはサンデーサイレンスをクロスすればある程度はOKな感じですが、トニービン、ノーザンテーストあたりがあるとより良い気がします。
なのでわかりやすいのは母父にサンデー×トニービンのハーツクライやサンデー×ノーザンテーストのダイワメジャーを持ってくるパターンですかね。
ディープでももちろんいいんですが、持続力の面ではハーツ、ダメジャの方がわかりやすいかな。
パワー血統
ここまでは基礎編、そしてさらに大物感のある配合となるとパワー血統のプラスアルファですかね。
まずはラトロワンヌ牝系。
キングカメハメハに入るトライマイベストがラトロ牝系なんで、こことのクロスは有効じゃないかな。
キンカメ系だとドゥラメンテ産駒のリバティアイランド、ロードカナロア産駒のアーモンドアイが代表的な例。
超がつく大物がでてますよね。
ただちょっとだけ気になるのはドゥラメンテやロードカナロアと比べると、サートゥルナーリアはトライマイベストがもう1代遠くなってることです。
なので母方に入るラトロは濃い目の方が良いかもしれないです。
もう一つ有効そうなのが、ダンジグ・デインヒル。
この血統はもうクロスしなくたって1本入るだけで如実にパワーアップする感じなんで、サートゥルナーリア産駒にとっては良い方向にいきそうだと思いますね。
24年デビューの2歳馬(22年産)からピックアップ
では22年産の中からここまで考察してきた条件にあてはまる馬をピックアップしてみましょ。
サウンドアンフィニ
母父ハーツクライで、母母母父がノーザンテースト。
母母父父ウッドマンがラトロ牝系を2本持つパワー血統です。
ボナペティアスク
母父ハーツクライ、母母父デインヒル。
半姉ディープインアスクはファンタジスト、ボンボヤージ、アスクワンタイムと重賞馬3頭を輩出。
スリジエの22
母父ダイワメジャーで母母父父シアトルスルーにラトロワンヌ牝系が2本。
母スリジエの半兄にアメリカG1勝ちのシェイキンイットアップ。
グランプラネッタ
母父ディープインパクト、母母父デインヒル。
母ラスヴェンチュラスは持続力血統リファールの4×3。
母はG2ローズステークスで3着。
ラルービーズ
母ワイメアビーチはヘイロー3×4。
母母母父がダンジグ。
母母父ミスワキのさらに母父バックパサーがラトロワンヌ牝系。
トップライセンスの22
母父キンシャサノキセキはサンデーサイレンスとリファール持ち。
母母父父にラトロワンヌ牝系のシアトルスルー。
母トップライセンスはスワーヴリチャードの母ピラミマの半妹。
さてさて、この中から活躍馬は現われるのでしょうか~。
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